普段のズボン(その2) 榛名湖ワカサギ釣行
「世の中スイスイ(粋々)、お茶漬けサクサク…」志ん生、志ん朝の噺に出て来るフレーズ。肩の力が抜けてあんにゃもんにゃです。~長い散歩の途中~
榛名湖ワカサギ釣行
会社の同僚5人でワカサギ釣りに行く話が決まった。
それは今から20年前の話だ。



1996年3月2日(土)

上野駅集合。
あさま15号(16番線)長野行。
12:00上野発。
13:06高崎着。
13:30(バス)高崎発。
14:55榛名湖着。バスを降りてから旅館まで徒歩40分。

3月3日(日)
寒い。
早朝5時に起き、身支度して凍った湖上に出る。
宿で先端がノミのようになった鉄棒を借りる。
手袋をしていないと手に鉄棒が凍りつく寒さだ。
大勢ワカサギ釣りの人たちが出ている。
イザ、その鉄棒で氷の“穴あけ”に掛かったが、
やり始めてすぐに分かった。

榛名湖1榛名湖2

5分やっても10分やっても鉄棒が跳ね返される。
ガッチガチに凍った厚さ約30~40cmの氷はコンクリートと同じ。
そんなもんじゃ穴が開くまで1時間以上掛かる。
“氷”をナメンナヨ。

これじゃラチが開かないから年長の人が
近くにいた常連おじさんから年の功で借りて来た手動ドリルを使う。
さすが文明の利器、あっと言う間に直径15cmくらい穴が開く。
「なんだったんだ、さっきのあの無駄な労力は」

ま、とにかく寒い。
仕掛けにエサを付けて穴に下ろす。
たえず上下に動かしてワカサギを誘う。
それにしても寒い。
せっかく開けた穴がまた凍り始める。
凍らないように棒で突く。
待てど暮らせどアタリがない。
地元のセミプロは氷上に小さな小屋を持っている。
それ以外の常連たちは自分の釣り用テントを持っている。
われわれのような思い付きのド素人は吹きっ晒しの湖上でなにも遮蔽物がない。
時折思い出したように雪を巻き上げた風が舞う。
顔に当ると痛寒い。

普段“おしゃべり”で、黙っている瞬間が無いという評判のKクンが
寒くてアゴが固まりフリーズ状態になっている。
ま、静かで良かったが。

(♪ 北へ帰る人の群れは誰も無口で海鳴りだけをきいている~)


テントに入っている連中はアウトドア用のガスコンロでお湯を沸かしてコーヒーなどを飲んでいるようだ。
たまにテントを開けて「あ~暑い」などとほざいている。


榛名湖3榛名湖4
(左/暖かいテント組、右/われわれ寒い)

「やってらんねえ」と5人があきらめた頃にY君にアタリが来た。
やっと1匹釣れた。
5人で2時間やって、たった1匹。

釣り上げたワカサギはすぐに凍ったのだった。